そもそもこの富士ヒルコースがなぜそんなに辛いのか。 それは間違いなく、「直線的」だから。 特に二合目までの前半は、九十九折どころかカーブ自体がほぼない(涙)。 不思議なもので、どんな激坂でもカーブだと登った後に一度一息つくことが出来て、それが「メリハリ」となって「よいしょ」と次々と登っていけるんですよね。「ハイ次〜!」みたいな(笑)。 それが直線状だと、たとえそれがたいした斜度じゃなくても、ただひたすらペダルが重いだけ…という「苦行」に早変わりしてしまうわけです。 筑波の「つくば道」なんて、激坂×直線とか、まさに鬼畜ですもんね(汗)。 富士スバルライン、富士ヒルコースの導入路&前半部は、まさに「ダラダラ直線登坂」の典型。 河川敷で向かい風をくらっているかのような猛烈な「進まない感」&「ペダル重い感」が、とにかく精神を削ってくるのであります。 それでも、何も知らずに「もう少ししたらカーブが現れるんだろうなぁ」と淡い期待を打ち砕かれながら登った前回に比べて、「分かってる。ただひたすらこれっしょ」と諦めの境地にある今回とでは、やっぱり心の持ちようが全然違います。 カーブ出現は諦め、ここはただひたすら地味に重いペダルを回すのみ。 そして前回にはなかった、周りの単調な景色のいいところを探して楽しむように心掛けてみました。 もちろん、そもそも「足着き」のプライドはないので、たまに止まって写真を撮りつつ♪ ま、これが僕のスタイルですから(キリッ)。 富士ヒルコースでもなんでも、自分流に楽しんじゃえばいいんじゃない!? 知らない自転車乗りの人が見たら、「あの人、止まって横にカメラを向けてなにやってんだろ」と思われていることは必至。 でもいいんです。気にしない気にしない。 前回は余裕がなくて…というか、ガラにもなく「走らなくちゃ、登らなくちゃ」という意識になってしまっていたので、周りの景色を見ることなんてしなかったですもんね。 相変わらず景色は単調なんですけど、よく見てみれば、けっこう綺麗な森が道の両側に広がっているんです。 何たってここはあの富士山なんですから、この独特な溶岩の森を楽しまなくちゃ損でしょう!? 足は重いままだったけど、心は前回より何倍も軽い!? それに、さすがに導入路からずっとこのダラダラ坂を登ってきているので、身体も心拍も慣れてきたのか? 前回も感じたんですが、このコース、とにかく残り20㎞を切るまでが長い。 御丁寧にこまめに「残り◯㎞」を示す文字が視界の左下に出てくるので、よけいです(苦笑)。 それでも「本物」の一合目看板下を通過すると、何だか一気に足も心拍も楽になるような気がするから不思議です。 まだまだ一合目なんですけどね。 目の前に続く景色にも、少しずつ変化が。 「高い山に登っているんだなぁ」という雰囲気が、少しずつ出てきます。 詳しいことはよく分かりませんが、道端の植生にも変化が。 そんな小さな変化に気付き、楽しめるようになったのが、もしかしたらささやかな「成長」なのかも…。 一合目を過ぎてほどなくして、ついについに、待望のカーブが!(嬉) カーブということは斜度は上がっているはずなんですが、この「最初のカーブ」には、マジで生き返りましたよ…(変?)。 このあたりまで登ってくると、ようやく長袖ジャージでちょうどいいくらい。 ハイペースで登っていくならまだ暑いんでしょうが、きわめてゆっくりな僕にはちょうどいいです。 ようやく現れたカーブと道端の新緑になぐさめてもらいつつ、ちょっとだけペースを早めて登っていきます。 季節を逆行していくヒルクライム。 可愛らしい桜の花も現れて…。 スバルライン、なかなかいいんでないの!? 二合目クリア。 残り20㎞を切ってカーブが現れ始めてからの5㎞は、ほんと早く感じた〜! この付近になると、白樺やダケカンバも現れて、さらに森に変化が現れて「高原」の様相。 そんな変化を目で楽しみつつ、写真を撮りながらの自分流ひとり富士ヒル。 なんだ、とても楽しいじゃないか! 空は相変わらずの曇りでガスっていて、空気も一段とヒンヤリしてきます。 曇りというより、どんどん雲そのものに近付いている不思議な感覚ですよね。 そう。雲に向かって登っているんです。 そう気付いたら、何だかテンションもますます上がってきましたよ! 樹海台駐車場。 今や日本有数の観光道路である富士スバルラインには、要所要所に綺麗なトイレのある駐車場があります。 これは自転車乗りにとっても嬉しいことで、トイレは暖房も効いていたりして、緊急時に雨や寒さを凌ぐことも出来ますよね。 樹海台駐車場にも立派なトイレがあって、もちろん立ち寄り(笑)。 そして、ストレッチしながら眺望を楽しみます。 変化や景色を楽しみながら、写真を撮りながらのヒルクライム…。 前回、ボロボロになった時は、メジャーな雰囲気に飲まれてそのことをすっかり忘れていたんだよなぁ。 今回も(特に序盤)はやっぱり辛かったけど、でも、前回よりは全然スバルラインを楽しめてる。 こんなに素晴らしい道をただ下を見て登っていくだけだなんて、もったいないことしたなぁ。。。 それに、確かにそれじゃあただ辛いだけですよね。 顔を上げて、雲を目指して駆け上がっていくこの感覚は、スバルラインならでは。 五感を研ぎ澄ませてゆっくり登っていくと、「感動」はたくさんある。 それがヒルクライムの醍醐味なんだよなぁ、なんて…。 実はとても贅沢極まりない道を走らせてもらっているのだということに、二回目にしてようやく気付いたような気がします。 さて、スバルラインの登り、もう少しだけ楽しませてもらうとしましょう! 〈つづく〉 にほんブログ村
by pcblue
| 2017-05-18 22:13
| ヒルクライム
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